技術情報

通信で重要な情報です

通信する伝送信号

通信するためには情報を伝送することが必要です。通信装置には、適用されるシステムに特有の方式が採用されます。
その中で、通常の伝送信号は、変調と復調と呼ばれる技術が適用されます。

変調波とは
信号波を搬送波と呼ばれるもので運ぶために加工した波形のことです。
単純な信号を伝送する場合は、音声のアナログ信号やデジタルの0,1の信号を直接伝送することができます。(有線に限り)
しかし、長い距離で信号を伝送する際には、元の信号に変調をかけます。これはどういうことかというと、単純な信号では、長い伝送路で減衰してしまいます。搬送波は元々伝送しやすいものですので、この搬送波を使って送りたい信号を載せることで信号波を相手に伝えやすくなります。
身近な例で言うと、荷物を遠くへ送る際に、そのままだとむき出しになり、運送中に壊れたり汚れたりします。ここで箱などに入れて送ります。すると、安全に荷物が送られます。この箱に入れることを「変調」と理解すればわかりやすいですね。

復調とは
変調波を元に戻すことを言います。伝送した信号波はある規則に基づいて変調されています。これを、人や機械が理解できるように元に戻す必要があります。
変調することを箱詰めする例でいうと、復調は箱から出して、組み立てて使える状態にすることです。

電力表示

信号の強さ
物理量では通常単位でその強さを現します。電気信号では、ボルト【V】、アンペア【A】が一般的です。家庭用では、コンセントやブレーカに「AC100V」とか「15A」とか表示されています。
通信で使用される信号にもボルトやアンペアと表示されます。やや専門的になると、電力表示でワット【W】なども使われます。電気信号の強さはこのワットが使われることが多いです。家庭用でも電球やヒータなどで100Wとか1500Wとか表示されています。
電気信号では、専門的には「パワー」(power)と呼んだりします。通信信号では、ワットでは大きすぎるため【mW】(ミリワット)とかの表示がされます。特に無線信号などは、1Vの100万分の1の強さになり、非常に微弱になります。(乾電池の100万分の1ですね)
そこで、【dB】(デシベル)という単位を使うことになります。これは対数表示を簡略化して計算したものになります。
例えば、1mW=0dBmと定義しています。(難しいことは、関連した内容でググると出てきます。)
そこで、電波の電力表示はdBmで表現され、良質な電波の強さとして、一般的には-60dBmという強さもあれば十分な強さです。用途に応じて電力表示であるdBmから電圧表示のデシベル表示である【dBμV】という表現もあります。
この換算は、簡単には -60dBm + 113dB = 53dBμV と表現されることもあります。
用途に応じて電波の強さを変えて、計算しやすくしたり、無線装置の性能を示すものにしたりします。
この換算も、ちょっとググれば「換算式」や「換算表」、中には自動で計算してくれるホームページが見つかります。

周波数

無線周波数について
無線周波数帯での特性や用途について総務省HPからの抜粋です。
このように様々な周波数帯を用途に応じて使い分けています。それぞれの周波数帯には特長があり、それを使用する目的によって使い分けることで、システムの最適化を図ることをしています。


総務省HP(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd253110.html)

有線と無線

通信手段には有線と無線があります。もちろん使用する装置や適用するシステムではどちらが有効か効率的かが変わってきます。無線化はケーブルが無くて便利ですが、使用条件、扱う情報、更に使用される環境で必ずしも全てに有効とは限りません。その時にシステム最適化として有線を選択します。
有線化するための目安として、絶対に「誤り」、「誤作動」などを避けたいや簡単に高速伝送させたいなどがあります。
例えば、車の配線で無線化するとどうなるでしょうか。車の中は様々な機器で密集しています。電波が届かない場所が出てきます。また、安全な運転のためにブレーキや後続車への合図のためのウインカーなど必ず動作させなければなりません。そうなると、車の車内は無線でなく有線で組み上げるのが最もベストと言えます。
また、インターネットの基幹信号は光ケーブルです。光ケーブルは安定した伝送と高速伝送を保証します。

 

システムとは

通信技術は基本的に電気回路で構成されます。この電気回路の集合体で通信機器が運用されることになります。この集合体は普通システムと呼ばれます。
例えば、アンプなどの増幅器の利得を一定に保つということをしたい場合、閉ループと呼ばれるフィードバック制御方式が採用されます。
アンプは、動作し続けると、動作時の損失により熱が発生し、一般的に利得が下がる傾向があります。そのため、送信機などでは、送信を継続していると送信電力が例えば1Wの場合、何も利得制御しないと、0.9W、0.8W・・・0.5Wと下がってしまいます。そこで、フィードバックループで下がった分だけ「利得を増加する」あるいは「入力信号レベルを上げる」ということを行います。そうすると、送信信号は安定的動作をすることができる様になります。
この一連の動作が「システム動作」となります。アンプ単体を設計するだけでは、通信信号は安定的な動作になりません。運用を考えたら、1Wの出力ができる能力を維持したいというのが普通です。そのためにフィードバックループで制御をかけます。
この様な考え方をすることで、運用を考えた本来的な動作を期待することができます。
それぞれがつながってひとつの目的を達成する考え方を持ってモノを見る事を弊社では「システム観点」と呼んでいます。

様々な機器や世の中の出来事は、色々なシステムで構成されています。
技術的でない事例として、モノの販売を挙げてみます。
①競合のAが販売されているのでBが売れない→②売れるためにBの値段を下げる→③Bが売れる→④競合がAの値段を下げる→⑤Bが売れなくなる→Bの値段を下げる→Bが売れる・・・
非常に単純な事例ですが、価格競争に陥ってしまい、AもBも値段を下げたために利益が下がるという悪循環の例です。
そこで、はじめにBを売るために別の手段として付帯サービスをつける、例えばポイントを付与するなどスーパーマーケットがやっているような事をすれば、値段を下げること無く、Bを買ってくれる可能性が高まります。このように、モノを売ることにも「何をすると、どんな結果が待っているか」を考えることが「システム観点」になります。

電気電子技術や通信技術で構成されている装置は、様々なシステムで成り立っているために、ひとつの事例だけの着目では、開発課題や不具合発生の解決する際には片手落ちになる可能性が高いです。そうならないために、電気回路の周囲に対して様々な角度で捉える必要があります。そうすれば、問題が一つ解決しても他の問題が発生することは防止されることになります。