表題6 【回路設計ノウハウ】  リモコン 操作 での 回路 スイッチ について

回路設計ノウハウとして、 リモコン 操作 での 回路 スイッチ をテーマに5つのQ&A形式で解説します。

 

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質問6.1  回路 の 接続 入/切 のやり方にはどういうやり方があるか


回答6.1 機械的リレーか半導体スイッチを使うことが一般的と思われる
リモートコントロールでの電源入/切は、電気的制御により行うことになる。そのため、電気的制御が可能な開閉器というのは自ずと限られてくるので、機械的リレーか半導体スイッチの選択になってくる。なお、機械の前面に立っての電源入/切は、トグルスイッチかブレーカスイッチを使うことが一般的である。ロータリスイッチ、ボタンスイッチというのもあるが、これらのスイッチは一般的に電流容量が低いので主電源の入/切の開閉器にはあまり直接使われない。もし使う場合は、電流容量が低い場合に直接使えるが、大電流だと機械的リレーか半導体スイッチになる。
例えば、テレビの電源は赤外線リモコンで入/切している。これは当にリモートコントロールでの電源統制である。今は液晶等のテレビが一般的なので、主電源の入/切はリレーか半導体スイッチに分けられる。昔のブラウン管の様な電子管だと電流容量が大きいのと時代背景的に半導体スイッチは使われなかったのでリレーが主力(のはず)である。
ただし、部品としてスイッチの使い勝手を考えて「特注」するならば、機械的リレーか半導体スイッチに限らず可能である。
従って、一般的な部品として選定するならば、リモートコントロールでの電源入/切は機械的リレーか半導体スイッチを使うのが主流となる。

 


質問6.2  電源投入時 ( 回路開閉時 ) に 突入電流 はどうなるか


回答6.2 電源回路にもよるが一般的に定常電流の5~10倍以上になる
電気回路ではコイル、コンデンサ、半導体で構成されている。そのため、電源入力部での総合キャパシタンスは大きくなる。すると、電流=電圧/インピーダンスとなり、キャパシタンスが大きくなるとインピーダンスは小さくなり、その結果、電流値は非常に大きくなる。これは定常電流のことになるが、電源投入時に電源が入になった瞬間コンデンサはショート状態に近いものになり、大きなキャパシタンスの影響から大電流となる。これを突入電流とよび、定常電流より非常に大きな電流が一瞬スパークしたように電源入力部に流れ込む。
例えば、静電気がたまった状態で金属を近づけると一瞬で火花がスパークして電気が放電する。身近な例ではノートパソコンのACアダプタをコンセントにつなげる際によく火花がスパークすることがある。また、別の例で水が沢山入ったタンクの横に窓があって、それを一瞬で開くとする。そうすると、てっぽう水として開けた瞬間に非常に大きな勢いで水が噴き出して流れ始める。少し経過すると、安定した水の流れに落ち着く。
このように、物理現象として、エネルギーがたまった状態で、少しでも逃げる場所ができた瞬間に一極集中でエネルギーが集中する。別の言い方をすれば少しでも逃げる場所があればそこに集中する。
従って、主電源の開閉部分が開いた状態から閉じた状態に遷移した瞬間に大電流が流れてしまう。
なお、電流がいつでも流れる状態でリレーを入/切することを「ホットスイッチング」と呼んでいる。電気を流さない様にしてリレーを開閉して閉じてから電気を流すことを「ドライスイッチング」と呼ぶ。ホットスイッチングでは上記の様に大電流が流れリレーの電極に非常に大きなエネルギーがかかるが、ドライスイッチングでは定常電流が流れるため大きなエネルギーにはなりにくい。リレーを長持ちさせるためにはこのドライスイッチングで使う。

 


質問6.3  リレー使用 での 電源投入時 の 障害 と 回避策 案が知りたい


回答6.3 リレーが閉じた瞬間には主電源ラインに制限抵抗をつけて大電流を低減させる
上記6.2項でのリレー接点が閉じた瞬間に突入電流が流れると、リレー接点がスパークして溶着することがある。それを避けるためにリレーへの電流の流れ込みの際に低い抵抗体をつけることでインパルス的な電気エネルギーを抵抗体で消費させて後続のリレーに突入電流を流さない様にすることができる。その後、突入電流が定常電流に落ち着いた頃に抵抗体をバイパスさせることをすれば、抵抗体での無駄な消費を抑えることができる。
例えば、火事が発生した際に屋内から逃げ出す時、もし大勢の人がいて無秩序で避難しようとすれば非常口にたちまち密集し、逃げるに逃げられなくなる。そこで、非常口に誘導する係員がいれば、スムーズに避難できる。この様に避難を誘導する人が上記の抵抗体のような役目を行うことで人の一時的な密集(これがスパークでのリレー接点の溶着に相当)を避けることができる。
従って、電源ラインに一時的な電流制限回路を設けることでリレー接点の溶着を回避することができる。なお、半導体スイッチも同様であり、半導体内部の電線に大電流が流れると半導体内部の電線が消失してしまうので、この場合にも電流制限回路を設ける必要がある。

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質問6.4  ハードウエア 的 な 回路 スイッチ 動作時 の 留意点 に何があるか


回答6.4 リモートの電源入制御時は、本体の電源が入でないため、待機時間を考慮する
本体の主電源が投入されて初めて本体が起動し、その後に様々な機能が動作する。そのため、マイコン制御が動作するまでは、ハードウエアによるタイミング制御が必要になる。本体がスリープモードであればこの心配はないが、少なくとも主電源回路周辺には何らかの待機時間を持つ機能が必要になる。機械的リレーを主電源ラインに使用しているとすれば、電源回路が安定状態になるまで十数m秒を目安に待機時間を考慮しておくのが妥当であろう。
例えば、オートマチック自動車でもエンジンをスタートと同時に発車はできない様になっている。人間の行動的にも運転者が発車の前に周囲を確認したり、場合によってはそれなりに心の準備が必要であろう。(ミッション自動車では、ギアを入れた状態でエンジンスタートし、緊急発進できる機能はあった)
従って、電気回路でも何らかの電源入とした場合、電源回路やマイコン制御などが安定状態になるまで主要な機能を動作させるまでにシステムで必要な待機時間は必要である。
なお、RFIDの様に1秒以下でタッチしてシーケンス全てを完了させるにもμ秒単位で時間的なタイミングを取っている。これは、課金システム(記録記憶システム)との通信するタイミングを図るために必要なある程度時間を必要としている。

 


質問6.5  リモコン 操作 での 留意 する点は何か


回答6.5 リモートでの電源入情報の検出が必要である
少なくとも主電源を入とするための情報の受信ができなければならない。当然と言えば当然であるが、リモートでの情報をどのように送受するのかはシステム的に考えなければならない。これには、様々な方法が考えられ、電気信号、機械的スイッチ等が一般的である。恐らく主流であり最も導入しやすいのは、テレビのリモコンの方式であろう。やり方としては、電源コンセントに電源ケーブルをつなげるとテレビの制御機能が動作を始め、外部からの信号を受けられるようにするので、最もわかりやすいと思う。
例えば、自動車ドアのリモコンキーは、自動車のエンジンが動いていなくともリモコンでドアのカギを開け閉めできる。これは、リモコンキーの信号を常に受けられる様に自動車のリモコンは動作していることになる。具体的に、リモコン信号を受信できるように受信機が動作できるように自動車バッテリーに常時繋がっているということになる。
つまり、こうしたリモコンは期待動作のために運用、使い勝手を考えたシステムとして考えられているといえる。
これにも少し問題があり、常にバッテリーと繋がっているという点で電源を消費している。そのため省電力でないとバッテリーの電源がなくなってしまう。テレビでいうと、電源ケーブルをつなげた瞬間から、テレビは動いているということになる。そのため、電流が流れ続けるという点で完全な電源切の状態でないということ。これにはあまり問題にならないが、コンセントに接続する際に場合によっては、スパークするときもある。
なお、完全に電源切状態でも、電源入にする方法がある。有線での接点情報で電源入とする方法がわかりやすい。プラス側とマイナス側を接触させることで初めて電気回路が閉じられることにすればよい。また、無線とした場合、レクテナを利用するという手段も理論的には可能である。(実際ではあまり取り入れられているのは見たことがないが)
従って、主電源のリモートコントロールには、リモコン信号を受信できるための準備ができあがっていることが必要である。

 

 

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