CSMBLG2023009
無線LAN ( WiFi ) 繋がらない 時の 繋ぎ方 と 使い方 とは (無線LAN の 通信速度 の向上)
本記事は、ちまたでよく耳にするコトバ、キーワードなどを筆者の経験事例を踏まえた見解を記述するものです。
【無線LAN ( WiFi ) 繋がらない 時の 繋ぎ方 と 使い方 とは(無線LAN の 通信速度 向上のコツ)】
見える範囲に 無線LANルータ や アクセスポイント ( 無線LAN アンテナ )があるのに、なぜか オンライン 会議 で途切れることありませんか。いろいろ理由はありますが、わかりやすいのは無線信号の原因です。今回はその無線LAN ( WiFi ) 繋がらない の 繋ぎ方 と 使い方考察してみましょう。
これがわかるだけで「無線を身近に感じる」ことができるかもしれません。もっと言うと、他の無線機器(ワイヤレスイヤホン、マウス等)にも応用できる基本的な要素にもなる可能性があります。
なお、「 無線LAN 」は、割と一般的に「 WiFi 」と言われます。 WiFi は Wi-Fi Alliance によって、 IEEE 802.11 規格 を使用した 無線LAN の名称です。 WiFi という表現は登録商標なのでAllianceに加入していないと使えないのです。このコラムでは 無線LAN と称して解説します。
このコラムでは、身近な無線である 無線LAN の 安定化 の ポイント の解説を基にして、無線がどういうものかがイメージできる内容をお伝えします。
オンラインが途切れる状態
パソコンやタブレットを 無線LAN でつないだ状態で、オンライン会議などで、会話中に突然途切れたり止まったりした経験があるのではないでしょうか。それまで普通に会話できているのに一瞬だけとか飛び飛びとかの状態などです。場合によってはしばらく(2、3秒くらい)止まるとかです。他の現象として、反応が遅いということもあります。こういう場合は、 無線LAN の通信に何らかの原因で異常がある場合があります。もし、相手方も 無線LAN の場合は、相手方に原因の場合もあります。これが LANケーブル をつなげている場合は、こうした状態は発生確率がほとんどゼロと言えます。これらの現象が生じる場合、無線LANでの接続で一体何が起きているのでしょうか。それがわかれば、対策の仕方がわかるかもしれません。
なお、オンラインに関係なくインターネットに繋がらない場合は、今回の記述の対象外とします。そういう場合は、 無線LAN の途切れということでなく、そもそも別の原因があるので、ネットワーク環境そのものを疑わなければなりません。
無線LAN 不安定 の改善 の ポイント
そこで、 無線LAN 接続 不安定 の改善での ポイント をいくつか挙げます。
基本的に 無線LANルータ の場所と端末(PC、タブレットなど)が直線上に繋がる様な場所として 無線LAN 電波 が「直接見える」状態が理想です。状態により、壁に反射したり、ドア、壁などから侵入(透過)することもできるので端末の 無線LAN アイコン *1 を見ながら確認すればわかりやすいです。なお、この反射とか侵入というのは置き方の概要として図を参照してください。*2
図1 無線LANアイコン
図2 無線の伝わるイメージ
・ 無線LAN の 規格 *3 を変える 無線LAN には 2つの周波数帯があります。2.4GHzと5GHzです。もし、現在使っているのが2.4GHzなら5GHzに変える、あるいはその逆です。これをすると繋がりやすくなる場合があります。
*3 無線LAN の 規格 には、 IEEE802.11 というものがあり、策定年で進化しています。(表1参照)
表1 無線LAN 規格
無線LAN規格 | 策定年 | 最大通信速度 | 周波数帯 | 備考 |
IEEE 802.11a | 1999年 | 54Mbps | 5GHz | |
IEEE 802.11b | 1999年 | 11Mbps | 2.4GHz | |
IEEE 802.11g | 2003年 | 54Mbps | 2.4GHz | |
IEEE 802.11n | 2009年 | 600Mbps | 2.4GHz/5GHz | WiFi4 |
IEEE 802.11ac | 2013年 | 6.9Gbps | 5GHz | WiFi5 |
IEEE 802.11ax | 2019年 | 9.6Gbps | 2.4GHz/5GHz | WiFi6 |
IEEE 802.11ax | 2021年 | 9.6Gbps | 6GHz | WiFi6E |
・端末を 無線LANルータ の近くに持ってくる 電波の強さを強くする意味合いです。
・使用している端末(PC、タブレット)の置き場所や向きを変える 縦置きなら横置き、直角にするなどです。電波の送受信の向きを変えるという事になります。
・ 無線LANルータ あるいは 無線アクセスポイント ( AP ) の向きを変える 家庭用であれば、棚などに置いてあると思うので、直角向きを変えてみるなどです。これも電波の送受信の向きを変えることと同じです。
・ハンディ無線 LANルータ ( ポケット WiFi 等)の置き場所を変えてみる ポケットWiFi はLTEの電波を使ってネットワークに加入しています。LTEは余程繋がりが悪くなければ大体どこに置いても使えると思います。 ポケットWiFi からでる 無線LAN 電波 と端末との繋がりが悪い可能性があります。
・ 無線LAN に 接続 している端末の電源を切る 一時だけ 無線LAN を オンライン会議 専門にするということです。
・ 無線LAN チャネル を切り換える これは、かなり高度な内容なのでお勧めはしませんが、対策として有効な方法です。対応できる機種とできない機種もあります。
ちなみに、2.4GHzと5GHzでの特徴を以下に示します。
表2 無線LAN の 特徴
2.4GHz帯 | 5GHz帯 | 備考 | |
チャネル数 | 14 | 19 | 伝送帯域の違い |
対応無線規格 | IEEE802.11b IEEE802.11g IEEE802.11n | IEEE802.11a IEEE802.11n IEEE802.11ac IEEE802.11ax | 規格が進歩するとサービス内容が良くなる |
障害物に対して | 強い | 弱い | 電波の性質 |
電波の干渉 | 受けやすい | 受けにくい | ノイズの多さ |
伝送速度 | 遅い | 早い | 伝送帯域の違い |
以上の様な対策には理由があります。その理由を以下に記述します。
原因1:ノイズ
・ 無線LAN 規格 を変えることの意味
その1
無線LAN で使用されている 周波数帯 は ISMバンド というものであるため、 無線LAN 以外で別の電波が多く存在する。それが「ノイズ」となる場合があります。特に多いのが2.4GHzです。これは、電子レンジ、BlueToothなどで使われています。そのノイズの影響を受けにくくします。
その2
2.4GHzは5GHzよりも波長が長いため、5GHzより遠くに届きます。そのため、2.4GHzを多くのユーザが使っている場合は、自分の家で使っている以外の干渉を受けやすいという欠点があります(自分の電波が遠くに届くという事は他人の電波も届く可能性が高いという意味になります)。そこで、2.4GHzから5GHzに変えると電波の輻輳が減ることになります。逆に5GHzにすることで電波の届き具合が悪くなる可能性もあるので、5GHzから2.4GHzにした方が良い場合もあります。
その3
5GHzは2.4GHzよりも高速伝送なので、電波状態が良ければ処理が早いので有利です。
いずれにしてもそれぞれ一長一短があります。
図3 無線LAN の ノイズ の様子
原因2:受信信号の変動
無線LAN を使ってオンライン会議する場合はほとんど屋内が多いと思います。屋内で 無線LAN を使うと、壁に電波が反射して受信信号の変動が起きやすくなります。これをマルチパスと呼びます。例えば、お風呂に入って、水面を手のひらで叩いてみてください。そうすると水紋が広がります。それがお風呂の壁に当たり跳ね返ってきて、そこに水紋が重なります。すると水面の波の高さが変わるのがわかります。これと同じ様なことが 無線LAN 電波 で起きます。それが、マルチパスという現象での信号の変動に繋がります。
オンライン会議で突然途切れたりするのは、これが頻繁に起きて生じる可能性があります。
これを防ぐには、場所を変えるのが効果的です。実際の無線LAN信号の変動を図で示します。
図4 無線LAN 受信レベル 変動 の様子
原因3:突発的な通信遅延
無線LANルータ は沢山の端末と繋がることができます。その時に 無線LANルータ がどういう動きをしているかというと、多くの端末とパケット(通信処理をするための細切れデータ)毎に処理してやり取りをします。これが時分割にマイクロ秒単位で複数台の端末と行われています。
ここでもし、一つの処理をする際に大量のデータを処理したり、時間がかかる様なことがあれば、そこで時間遅延が生じます。その時間遅延は繋がっている端末全てに影響し、結果的に全体的な遅れを生じさせます。どういうことかというと、 無線LANルータ は、繋がっている全ての端末に優先順位をつけているわけでなく、処理のリクエストがあった時にその都度で一連の通信処理を行います。もし、ある端末の速度が遅い場合は、その遅い速度に合わせて 無線LANルータ はお付き合いをしなければなりません。例えば、コンビニでのレジ待ちみたいな様なものです。お客さんが大量にモノを購入したり、手続きがまごついたりすると後ろに並んでいる人は待たされることになります。 無線LANルータ は、一度通信処理を行うと一連の処理が終わるまで次には進まないということになります。そのため、もしオンラインで遅くなる様な場合の対策は、他の端末を繋げさせないとか、違う 無線LAN 規格 にするなどがあります。
なお、通信速度の遅い端末というのは大体3つ理由があります。1つ目はそもそも端末が古い 無線LAN 規格 でしか対応していない。2つ目は非常に多くの端末が繋がっている場合。3つ目は スティッキー問題 と言って何らかの原因である端末の無線信号が弱くなることで再送処理が多くなり一連の処理が終わるのに時間がかかってしまうことです。無線信号が弱くなるのは、遠くに離れるとか、電波が通じにくい場所にあるなどです。
こうした場合に、突発的な通信遅延が生じることがあります。それを見つけるのは非常に難しいので、 無線LAN 規格 を変えるのが効果あります。
まとめ
無線LAN は便利ではありますが、 有線LAN での接続が可能であれば、その方が動作は保証されます。使う状態や目的に合わせて無線と有線を使い分けると、トラブルは避けられると思います。
例えば、セミナーを主催している講師側では、ほとんどの方が「 有線LAN 」を使っています。 無線LAN は便利ですがリスクがあるので、なるべくリスクを回避したいならば 無線LAN は避けた方が良いという結論になります。
以上のコラムについて「もっと聞いてみたい」、「類似した内容を知りたい」、「こういう内容が知りたい」というようなことがございました、以下の「聞いてみたい」をクリックして、弊社までお気軽に聞いてください。できる限り対応させていただくと同時に「別の記事」の作成の参考にさせていただきます。(以下のコメント欄でも歓迎いたします!)
この記事へのコメントはありません。